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まれにいいこと

小さないいこと探しながら、今日もなんとか暮らしています。

カナダの教育現場から③ ~自分の物差しで、子どもをはかってはいけないという話~

全米の女子高校生が知性や才能を競う、大学奨学金コンクールで、「全米最優秀女子高生」を受賞した、スカイ・ボークさんの母・重子さんが、「世界最高の子育て」を出版。インタビュー記事が出ていたので読んでみた。 

resemom.jp

アメリカとカナダ、異なるところもあるけれど、共感できるところも多く、楽しく読めた。

 

重子さん曰く、子育てで一番大事なのは、「対話」とのこと。

子どもにも自分の意思や感情がある。けれど大人は「まだ小さいから何もわかっていない。大人の言うことが正しいに決まっている」と思い込んでしまうのです。彼女は、子どもにはすごい能力があるんだから、もっと信頼してあげよう。子どもに表現する機会をたくさん与え、それを親は一生懸命聞いてあげることが大切なんだと言います。 

(中略)「対話」を通じて子どもが何をやりたいのか、なぜそれをやりたいのかなどを主体的に考えていけるようにすることが大事

 

少し前に、こんな事件があった。

休み時間、男の子(Aくん)がお絵かきをしていた。

そこに、女の子(Bちゃん)がやってきて、いきなりその絵をビリビリと破りすててしまった。

そこに先生が登場して……

 

と、ここまで話を聞いた私、

「それはBちゃん、ひどいね。理由も言わずに人が描いてた絵を破ったの?先生にめっちゃ怒られたんじゃない?」

 

ところが、先生、まったく怒らず、責めず、Bちゃんと話をし......

聞けばBちゃん、小学校にあがったころから、自らの意思でヴィーガンになるほどの動物愛護者。

Aくんが、動物を面白おかしく描いていた(と思い込んだ)ことが許せなかったらしい。

そこで先生は、Bちゃんの気持ちを、みんなと共有する機会を与えた。

「動物愛護がどうして必要だと思うのか、紙にまとめられるか」尋ねると、Bちゃんは快諾。

Bちゃんは皆の前で、動物愛護の現状と必要性を訴え、クラスメートの理解を得たらしい。

また、Aくんが、そんなつもりで絵を描いたわけではないこともその場で理解し、Bちゃんは自らの意思で、Aくんに謝罪した。

 

これは今ふと思いついた一例だが、こういうこと、すごく多い。

私だったらガツンとまず一発怒鳴りつけているだろうところを、まずその子の気持ちを理解しようとするところから始める。

(そもそも教育現場に関わらず、カナダでは、(特に人前では)子どもを怒らない。なぜこんなことをしたのか、どうすべきだったのかを話しあったり、言い聞かせたりしている姿をよく見かける(何年たっても私にはできないんだな、これが…...)。)

もちろん、自分の気持ちをうまく表現できない子も多いだろうから、先生も苦労があることだろう。

しかし、この前述のBちゃん、それまでも、たびたびクラスでコトをおこしていたのだが、この事件以降、自分の気持ちを知ってもらう術を覚えたのか、何か違和感を感じると、他人に自分の気持ちを伝えようと努めるようになり、ずいぶんと落ち着いたという。

私のように、「どんな理由があろうとも、人の物を破るなんて、絶対にやってはいけない!」と頭ごなしに怒っていたら、彼女の未来はどうなっていただろう......

 

「誰だって才能がある。だが魚が木を登る能力で自分を判断しようとしたら、その魚は一生自分はダメでバカな存在だと思って生きることになる」

 このアインシュタインの名言は、ボーク重子さんの子育ての哲学のまさに根っこの部分だ。そしてそのメソッドは、「子どものパッションを応援してあげよう。そのためにはたくさん子どもと話をしよう」というとてもシンプルなものだ。

たしかにな。

うちの長男、反抗期真っただ中。

気付けば、子どものことを日々正そう、としている自分がいる。

でも、大人同士の付き合いですら、「あの人の言ってること、絶対間違ってる!」って思うことあるもんな。

大人が何でも正しいってことは、ない。

ましてや、子どものすべてを正せるほど、私は完璧な人間じゃない。

自分の物差しで子育てしたら、子どもの可能性を摘み取ってしまうことになる。

子育てって、自分のためにしてるんじゃない。

子どもが子ども自身の幸せをつかむために、その声に耳を傾けて、応援してあげるという姿勢、難しいけど、忘れちゃいけない、と思った週末。

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