早すぎない、子どもと時事ネタ
カナダの人との会話で、興味はあっても、一番避けたい話題。
それは、政治・経済・社会などの、時事ネタ。
うちの夫は、大家族出身なので、集まりごとが多い。
土地柄、いろいろなパーティーに参加することも多い。
子ども向けのイベントや誕生会も、盛大なパーティー形式が多い。
そんな無数の生活イベントの中で、必ず繰り広げられる、時事ネタ。
何てことはない、日常生活の中でも、「おはよう」の挨拶だけでは済まされず、
意図せずして、時事ネタに発展してしまうこともしばしば。
とにかく、時事問題の話をしたがる人が、やたらと多いのだ。
子どもがいたって、お構いなし。
時に、ちょこちょこ子供に説明しながらも、熱く語り合っている。
〇年前、うちの夫、乳児期の子どもの前で、新聞を音読していた。
私:「何してるの?」
夫:「読み聞かせ」
私:「......それ、意味あるのかな?」
夫:「子どもは、ちゃんと聞いてるよ!」(本人、いたって真剣)
ちなみに、小学生になった今でも、不定期的に継続中。
子どもも、「今の、どういう意味?」などと、
不意に聞いてくる年齢になり、
時事ネタの読み聞かせ、少しは形になってきた模様。
私はといえば、興味はあって、言いたいことがあったとしても、
時事ネタは、英語力がついていかない。
さらには、仕事を辞めてからというもの、そっち方面のネタにはめっぽう疎い。
そもそも、日本でだって、友達や会社の人たちと、政治経済の話なんて、
ほとんどした記憶ないけど......
長男、小学校に上がったころから、
そうした時事ネタを得意とする担任に当たり続けていたこともあり、
今や、私なんかより、ずっと立派な時事ネタスピーカーになりつつある。
最近のクラスでの話題は、「銃規制」と「地球温暖化」について。
ほぼ毎朝、数分間、そういった時事問題を議論する時間があるらしい。
先生が議題を出すこともあれば、生徒が言い出すこともあるようだ。
少し前の選挙期間中は、各候補者の違いなんかをしゃべっていて、
私が誰に投票するかをしきりに知りたがっていた。
「マリファナって、ナニ?」から始まり、「どう思うか」を問われた。
母、理解も浅い上に、適切な回答ができたとは......
とても思えない(*ノωノ)
思い起こせば、私も中学生の時、持ち回りで毎日1人、
新聞の切り抜きを持ってきて、その内容について発表、
皆で話し合う、という、朝の時間があった。
政治経済といった時事ネタに、まるで興味はなかったが、
「へー、そんなことがあったんだ!」っていう発見は、ちょくちょくあった。
家では新聞をとっていたけれど、4コマ漫画とテレビ欄以外、
読んだこともなかった。
でも、学校で、この新聞発表タイムがあった頃は、いわゆる中面も読んでいた。
現実社会で起こっていることを知り、
それについての世論を知り、
自分の考えを持つこと。
これは当たり前に、とても大切なことだと、子どもから教わった私。
だって、私たちが住んでいる、私たちがつくっていく社会なんだから。
子どもたちが理解し、意見を持つことは、次世代社会を創造する基本だ。
そんな当たり前に大切なことを、息子から学んだ私。
子育てって、子から教えられることの方が、
よっぽど多い。
しかし、子どもにきっかけをもらったとは言え、応える私の責任は重大。
きちんと事実を知って、中立な立場でものを言えるように
しておかなければ。
子どもの考えもきちんと聞いて、必要なら、適切なアドバイスが
できるようにもしておきたい。
親の私も、日々勉強せねば。
ありがたい、このネット社会。
カナダにいながらにして、日本語で子どもと一緒に
時事問題を考えられる素材が、たくさんある。
日本にいる友人は、某新聞社の子ども新聞を定期購読している
と言っていたし、もしかしたら、すでにご存知かもしれないが、
私の備忘録もかねて……
毎日1ネタでも、週に1ネタでもいいから、
子どもと時事問題について話すのも、始めてみよう。