カナダの教育現場から⑥ ~いじめをなくす、心の準備~
今日、4月10日は、International Day of Pinkです。
ピンクの日???
子ども達は、ピンク色の服を着て、もしくはピンク色の何かを身につけて、登校するように言われます(強制ではありません)。
学校だけでなく、職場等で実施しているところも数多くあります。
さて、何の日かというと、「いじめ根絶を訴える日」です。
キーワードは、「Bullying Stops Here(いじめはここで終わりにしよう)」
2007年、カナダのノバ・スコシア州で、ピンクのポロシャツを着て登校した男子生徒がいじめにあったことを知った、David ShepherdとTravis Price。
ふたりは、50着のピンク色のシャツを購入し、友人たちに着てもらうことによって、いじめ反対を訴えようと考えました。
ところが、直接メッセージを送った人以外にも、この知らせが拡散され、翌朝、学校はピンク色のシャツを身にまとった生徒たちであふれかえりました。
これ以降、いじめはなくなったということです。
この出来事がメディアを通して、カナダ国内はおろか、世界中に広がりました。
いじめは学校だけでなく、職場や地域等、社会にもはびこる問題だとして注目を浴びたのです。
結果として、Anti-bullying day(いじめ反対の日)が様々な国で設定され、ピンク色の服や持ち物を身に着けることによって、その趣旨を確認する日となりました。
カナダのAnti-bullying dayは、2月27日です。
これとは別に、カナダのオタワにある組織によって、国際的に広く、いじめ根絶を訴える日として、International day of Pinkが設定されました。
少し話は広がりますが、カナダの子ども達は、学校で、記念日やイベントを学ぶ習慣があります。
例えば、
・World Autism Awareness Day(4月2日)自閉症に理解を深める日
・National Indigenous Peoples Day(6月21日)原住民の文化や遺産を確認する日
・Terry Fox Run(9月15日)癌で片足を失ったランナーにちなみ、癌の研究資金を募るチャリティーイベント
・Orange shirt day(9月30日)原住民に対する差別や人権問題を考える日
・International day of the girl child(10月11日)女の子の権利を確認する日
・Remembrance day(11月11日)戦没者追悼記念日
等々、今少し思い出しただけでも、こんな感じです。
その他、各種宗教行事や民俗行事も、折に触れて、学校で紹介されます。
クリスマスやイースター(キリスト教)、ハヌカやパスオーバー(ユダヤ教)、中国の旧暦正月......
普段から多様性を学び、イベント的な形で参加、理解を深めていくことは、自分、そして他人を受け入れていく、心の準備をすることに他なりません。
何かあった時に初めて考えるのではなく、生活の中に、教育の中に、常日頃から組み込んでいくことの大切さを改めて学んでいます。
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