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まれにいいこと

小さないいこと探しながら、今日もなんとか暮らしています。

久々に最後まで読ませてくれた!『ドングリ山のやまんばあさん』

絵より字が圧倒的に多い本。

なかなか最後まで読ませてもらえません。

途中で飽きてしまったり、横から手を出してきて、絵がついているページを無理やりめくってきたり...

  f:id:Yotoro:20190120121103j:plain 『ドングリ山のやまんばあさん』富安陽子

 

久しぶりに最後まで読ませてくれました。

勝因は、

① 恐ろしく描かれていることの多い「やまんば」が

  陽気なおばあさんの形で描かれていること

② やまんばあさんがものすごく強くて、軽快で、子どもが

  好きなスーパーヒーロー的な描かれ方をしていること

でしょうか。

 

296歳のやまんばあさんが主人公です。

ドングリ山で動物たちと元気に逞しく、そして楽しく暮らしています。

動物たちとの生活の他に、この本では、恐れられていた人間の村を

覗きに行き、最後にやっと友達を作る話が描かれています。

こどもにとっては、強くて面白い、やまんばのお話だと思います。

 

さてここで、大人の視点でみると、ですが、

直接的には書いていないのだけれど、

ゆかいなやまんばあさんがこっそり隠し持っている心の孤独が

描かれているような気がして切なくなりました。

冬の厳しい描写の中(もちろんどんな状況下でも逞しいやまんばあさんにとって、

厳しい冬なんて大したことないのですが)、

最後はこんな文で結ばれています。

だけど、ちゃんと、春は近づいてくる。

だって、二百九十六年間、春のやって来なかった冬は、一度もなかったからね。ーーーp.146-147

今日のカナダは大雪&極寒です。

私も「必ず春は来る」と思って、この冬を乗り切ろうと思います!