イチローの世界が見えてくる① (カナダの教育現場から⑦-1 ~可能性のある自分)
これはもはや自慢!なのですが、私は私以上にネガティブな人に、出会ったことがありません。
一種の自己防衛本能です。
常にネガティブなことを想定して、心の準備をしながら生きています。
でも、子どもには、私のようになってほしくない。
子育てを通して、幼少期の経験や教育が、いかに大切かを考えている日々に、ちょっぴり心を動かされる授業があったので、ご紹介したいと思います。
現在、次男(7歳)が、学校で取り組んでいる課題です。
グロースマインドセット(Growth Mindset)というのをご存じでしょうか?
直訳すると、
グロース(Growth)は、「成長」
マインドセット(Mindset)は、「考え方、思考態度」。
簡単に言うと、グロースマインドセットとは、
「自分の可能性は、努力によって、切り開いていくことができると信じる考え方」のことです。
息子は学校で、ビデオを見たり、ディスカッションや創作活動を通して、そういう考え方を育む取り組みをしているようです。
グロースマインドセットは、スタンフォード大学・心理学教授、Carol Dweck博士の20年に及ぶ研究をもとに提唱されました。
自分の知性や能力といった可能性は、生まれながらにして与えられたものであり、自分の力では変えられない、越えられない壁があると思い込みがちな人間。
それこそが、自らの限界、自らが作る壁となります。
→ コレ、まさに、私のことですね。
そうではなく、自分の可能性は、生まれ持ったものではなく、努力よって成長させることができると信じること(=グロースマインドセットを持つこと)が、人生を変えるということが発見されました。
(研究の詳細は割愛しますが、興味のある方はググってみてください。面白いです!)
競争社会に生きていると、結果を重視する思考が生まれがちです。
結果を気にして、評価を気にして、できるだけ見栄えのいい自分を演じようとする結果、無理な努力はしない、自分の能力の範囲内で確実な成功だけを追い求めるようになります。
自分の能力には限界があると思っているので、他者の忠告は受け入れられず、他者の成功には嫉妬や脅威を感じます。
こういう、自己成長を無理に追わない、結果重視の思考態度を、
「フィックストマインドセット(Fixed Mindset)」と呼びます。
→ これ、まさに私のことですね。ひとつだけ異なるのは、私は自分の限界をかなり低く設定しているので、他者の成功を素直に「すごい」と思えることです。 私のマインドは、フィックストマインド以上に、フィックスされています(笑)
これに対し、自分の可能性を信じ、結果より挑戦や学習、経験といった、プロセスを重視する考え方が、
「グロースマインドセット(Growth Mindset)」です。
自分の能力は未知と考え、結果うまくいかなくても、そこから学びを得ます。
他者の忠告は財産、他者の成功は刺激となり、より自分を高めようと考え、努力し続けることによって、運命を変えていける可能性を秘めています。
自分の可能性は未知と考えるゆえ、挑戦好き、学び好き、努力好き、忍耐強く、挫折は成功への気付きとポジティブにとらえられる強靭な精神力が宿っています。
ーーー引用元:https://achievement-hrs.co.jp/ritori/?p=1578
さて、ここまで調べてきて、ふと思い出したのが、イチロー選手のこと。
イチロー選手の数々の名言をググってみました。
「成績は出ているから、今の自分でいいんだという評価を自分でしてしまっていたら、今の自分はない」
「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている。」
「努力せずに何かできるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうじゃない。
努力した結果、何かができるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうだと思う。
人が僕のことを、努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです。」
自分がわからないことに遭遇するときや、知らないことに出会ったときに、「お、自分は、まだまだいける」と思います。
「僕は僕の能力を知っていますから、いくらでも先はあるんですよ。人の数字を目標にしているときというのは、自分の限界より、はるか手前を目指している可能性がありますけど、自分の数字を目指すというのは、常に限界への挑戦ですから。」
「何かをしようとした時、失敗を恐れないでやってください。失敗して負けてしまったら、その理由を考えて反省してください。必ず将来の役に立つと思います。」
なんじゃこりゃ!
読めば読むほど、グロースマインドセットの世界!!
そして、グロースマインドセットを調べると、よく出てくるのが、松井秀喜さん。
星稜高校時代、恩師の山下監督から言われて以降、座右の銘にしているという、この言葉。
「心が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。」
コレ、一番わかりやすいグロースマインドセットの説明ですね(笑)
なんだか大人の私でも、今から変われそうな気がしてくるから不思議。
そして、子育てにおいては、いろいろなヒントが隠れていそうです。
次回は、「どうやってグロースマインドセットを作っていくのか?」ということを考えてみたいと思います。
↓ 「カナダの教育現場から」シリーズの中から、同じく自己啓発系ネタ。